3連敗…鯉踏ん張れ!Gついに0・5差
「交流戦、広島3-10ソフトバンク」(6日、マツダ)
悪い夢だと思いたい。広島はドラフト2位・九里亜蓮投手(22)=亜大=が、三回に守備のミスから崩れて大炎上。チーム4年ぶりとなる1イニング9失点を喫して、今季2度目の3連敗となった。貯金を5つ吐き出した交流戦は単独最下位。それでもセ・リーグ首位だ。どんな負け方でも1敗は1敗。開き直って、前に進もう。
スコアボードに「9」という無残な数字が刻まれた。2010年8月25日の阪神戦(京セラ)以来となる1イニング9失点。ルーキー九里が撃沈し、3試合連続で先制しながら逆転負けを喫した。
2‐0の三回、悪夢が九里を襲った。先頭の鶴岡に中越え二塁打され、続く中村の打球を遊撃・梵が失策して無死一、三塁。これで流れが変わった。明石の右前適時打で1点をかえされ、柳田は死球で無死満塁。李大浩の中前2点適時打で逆転され、長谷川の右前打で4点目を献上した。
さらに2死満塁から、鶴岡に中越え3点適時三塁打を許し、続く中村に右越え2ランを浴びた。歯止めが効かず、3回を8安打9失点。九里は「言い訳はない。自分の実力がなかった。失策があったとしても抑えないと。試合をつくれなかったことがすべて」とうなだれた。
野村監督は「九里はボールが高かった。9点で大勢が決まった。先発だから(三回は)投げきってほしかった。代える選択肢はなかった」と振り返った。リリーフ陣は登板過多。三回途中で九里をあきらめる訳にはいかなかった。
2位・巨人が勝ったため、これでゲーム差は0・5。4月11日・中日戦以来守り続けてきた首位から、7日の結果次第で陥落する。交流戦は4勝9敗で最下位。貯金は4月20日・DeNA戦以来の「7」にまで減った。
野村監督は「(梵の)あの失策が起点となった。それが最近のパターン。前半戦は点を取りにいく中で、守りもうまくいっていた。それがうまくいかなくなったのが現状」と続けた。3日・日本ハム戦から守備の乱れが失点に直結している。
ただ、うつむく暇はない。2番手・中崎の好投、本塁打を含む2安打を放った会沢は光った。「何かを変えていかないと。いい部分は伸ばす。結果が出ない者は考える」と指揮官はオーダー組み替えを示唆した。2軍戦力も含め「調子のいい者を使う」が今季の信条だ。降雨の中で2万9983人が集った。鯉党の声援を力に変える。原点に立ち返り、ただ前に進むしかない。