マエケン無念…痛くないのに先発回避
広島・前田健太投手(26)が左脇腹の張りのため、先発予定だった12日・西武戦(西武ドーム)の登板を回避することが10日、決まった。9日の練習中に症状を訴え、一夜明けたこの日、広島市内の病院で診断を受けた。異常はなく、前田は登板に意欲を見せたが、首脳陣が大事を取った。代わって九里が先発する。
前田はやり切れない表情で、胸中の無念さを口にした。「全く痛くはない。チームの方針ですから。僕はいけると話したんですが、1回(先発を)飛ばそう、と言われました」。球場のクラブハウスから早歩きで駐車場に向かい、帰りの車に乗り込んだ。
9日の練習で遠投した際、左脇腹に張りを覚えた。トレーナー、コーチに報告し、一夜明けたこの日、診察を受けたが、幸い異常はなかった。前田は予定通り12日・西武戦で先発する意向を伝えたが、首脳陣の判断は慎重だった。
山内投手コーチは「先発は1回飛ばします。本人はいける、と言っているが場所が場所だから。シーズンは長い。無理しても困る」と説明した。
前田は出場選手登録を抹消せず、1軍に帯同。18日からの楽天2連戦(マツダ)での先発復帰を目指す。12日はドラフト2位・九里(亜大)が中5日で先発。13日・西武戦(西武ドーム)は中崎、戸田、2軍から昇格する久本らが代役で先発を務める見込みだ。
今季成績は5勝4敗、防御率2・68。エースはもう一つ波に乗れていない。
4月12日・中日戦(マツダ)は右肘の違和感のため5回無失点で緊急降板。右上腕三頭筋付着部炎と診断された。5月17日・巨人戦(東京ドーム)では右太もも内側に打球が直撃し、苦痛でマウンドに倒れ込んだ。ともに重症には至らなかったが、アクシデントに見舞われたことで、患部以外に負担がかかった可能性も考えられる。
この日の指名練習にはグラウンドに姿を見せず、室内での調整に終始した。「登板間隔を空けるのは好きではない。いきたかったが(山内コーチに)シーズンは長い、と言われたので」と悔しそうに話した。6連敗中のチームを救いたい思いは誰よりも強い。この無念は次回登板で晴らすしかない。