再登録ロサリオ 6連敗中の野村鯉救う
広島のライネル・ロサリオ外野手(25)が11日、不振のキラ・カアイフエ内野手(30)に代わって1軍に合流した。マツダスタジアムで行われた全体練習に参加し、フリー打撃では持ち前の強打をアピール。12日・西武戦(西武ドーム)で再登録されるドミニカンが、6連敗中のチームの起爆剤となる。
真っ暗なトンネルに迷い込み、抜け出せずに苦しんでいる野村鯉。重たい空気がベンチに漂っているが、もしかしたらこの男がそれを変えてくれるかもしれない。「(1軍に)呼ばれたのはうれしいね」。この日1軍に合流したロサリオはうれしそうにほおを緩ませた。
マツダスタジアムでの全体練習に参加した助っ人は必死に存在をアピールした。フリー打撃では柵越えこそ1本だったが、鋭い打球を連発。課題の守備では、ショートとレフトの守備位置に入り、石井守備走塁コーチのノックを受けながら捕球や送球を確認した。
求められるのは勝負強い打撃だ。野村監督は「キラは打率(・276)はいいけど、得点圏打率(・184)が落ちている。外国人には得点圏打率を上げてもらわないといけない」と力説した。
もちろんロサリオ自身も指揮官の要望は理解している。「自分は打者として1軍に呼ばれている。打点を期待されていると思うので頑張りたい」と、力強く言い切った。
そしてもう一つ求められているのが、暗いチームの雰囲気を変える明るさだ。これには思わずにやりと笑い、「俺は“ハッピーガイ”だ。いつも明るく振る舞うことができる。それをチームにもたらせたらいいね」と声を弾ませた。
外国人枠の問題で今回が今季3度目の昇格になる。ここまで15試合の出場ながら50打数17安打、5本塁打、9打点と好成績をマーク。前回2軍降格直前の6月1日楽天戦(コボスタ)では、4打数2安打、1本塁打、2打点と活躍、勝利に貢献した。
力強い援軍も駆けつけた。9日にサンディー夫人と3人の子供が来日。「今まで日本で1人だったのでうれしい。大きな助けになる」。家族の力を糧に、陽気なドミニカンが連敗脱出の救世主になる。