広島8連敗…石原抹消、松山も交代
「交流戦、西武7‐0広島」(13日、西武ド)
広島が2012年以来となる、泥沼の8連敗を喫した。先制機は不運な判定に泣かされ、投打に踏ん張れずに完敗。試合中の守備で松山竜平外野手(28)が左膝を負傷して途中交代。 相次ぐ故障者に野村謙二郎監督(47)は頭を抱えた。3位・阪神とゲーム差なし。今季初めて3位に転落する危機に陥った。
厳しすぎる現実に直面した。2年ぶりの8連敗。微妙な判定に、勝利への道のりをかき消された。試合終了後しばらくして、報道陣に対応した野村監督は「僕はセーフに見えたんだけどね。審判の問題だけど、ポイントで最近多いですね」と、大きすぎる“誤審”を振り返った。
三回2死一、三塁。菊池の打球は三遊間へのゴロだった。処理した遊撃・渡辺の二塁送球よりも、一塁走者・ロサリオが滑り込む足が一瞬早く二塁ベースに到達したかに思えた。しかし、中村塁審のコールは、無情にもアウトだった。
ベンチから飛び出した野村監督は、鬼の形相で中村塁審に駆け寄って猛抗議。1分、2分…。同様の二塁封殺プレーの判定で5分以上抗議を続け、遅延行為で退場処分になった、4月22日・ヤクルト戦(神宮)が思い起こされた。
ただ、今回の指揮官は「腹が立つし、僕は退場になることは何とも思わない。でも指揮を執って勝たせたい思いがあった」と矛を収めた。納得できないまま、先制点を逃した。
悪い流れは、さらに容赦なくナインを襲った。劣勢の六回、メヒアの打球を追った右翼・松山が、フェンスに体をぶつけて左膝をひねった。出場を続けたが、左膝の痛みが増して途中交代。試合中に病院へ向かった。
検査の結果、「左前十字じん帯損傷」と診断され、14日以降に広島で精密検査を受けることになった。12日・西武戦で一時は同点のソロ本塁打を放ち、連敗中のチームに光をともした男に、戦線離脱の可能性が出てきた。
試合前には正捕手・石原が右肩痛で出場選手登録を抹消された。一岡、永川勝、堂林、広瀬、キラ…。交流戦前の快進撃を支えたメンバーが、軒並み故障や不振で離脱。最大12あった貯金は2まで減り、3位・阪神にゲーム差なしとなった。
指揮官は「悪いことは重なるね」と嘆いた。それでも戦いは続く。「よしオレが、という感じになってくれればいいんだけど」と救世主の登場を願った。