中田“見違えた”直球中心で攻め切る
「交流戦、広島8‐5ロッテ」(15日、QVC)
己の出番が告げられると、表情がこわばった。それでも中田は、マウンドに立つと覚悟を決めた。「今まで以上に自信を持とう。腕を振って投げよう」。エルドレッドの逆転満塁弾の興奮が収まらない、1点リードの七回から2回無安打無失点に抑えた。
12日・西武戦、14日・ロッテ戦と続けて同点の八回に登板し、勝ち越し点を献上。自身2連敗中だった。
この日は違った。七回は4番・今江から3者凡退。リードが3点に広がった八回も3者凡退。すべてフライアウトに打ち取った。多彩な変化球が持ち味だが、直球中心で攻めきった。「嫌なイメージはあったけど、僕が払しょくしないといけない。プレッシャーはきつかったけど、抑えられて良かった」と、うなずいた。
山内投手コーチは「本来の投球を見せてくれた。リードしたところで使おうと決めていた」と話した。変わらぬ信頼に応えた右腕の好投を喜んだ。
交流戦前までの快進撃を、ともに支えた一岡は右肩痛、永川勝は不振で1軍に不在。“勝利の方程式”を担うメンバーの中で、中田は唯一開幕からフル稼働している。今季25試合目の登板を終え「これで(自身の負けを)取り返せたとは思っていない」と、表情を引き締めた。