広島・前田健太投手（２６）が１６日、チームを再び上昇気流に乗せる快投を誓った。左脇腹の張りで登板を一度回避したが、１９日・楽天戦（マツダ）で復帰先発する予定。同日は楽天のドラフト１位・松井裕樹投手（桐光学園）の先発も決定。注目新人との投げ合いで貫禄を見せ、チームとともに自身も調子を上向かせる。

　本領発揮の準備は整った。前田は「体はもう大丈夫。昨日（１５日）一つ勝って流れは変わる。自分も流れを変えたい」と誓った。

　１９日の先発は、４日・日本ハム戦（札幌）以来となる。９日に左脇腹の張りを訴え、軽症だったものの、万全を期す首脳陣の判断で１度登板を回避した。

　チームは１５日・ロッテ戦で勝つまで９連敗して首位から陥落。首位の巨人とは４・５差となった。「自分も何とかしたかった。悔しい思いはある。投げたかった」。苦しむナインを前に募らせたフラストレーションを一気に晴らす時が来た。

　自身の５勝４敗、防御率２・６８の成績には納得していない。ただ、シーズンはまだ半分以上残る。「先は長い。後半をしっかり投げれば、前半とは印象は変わる」。調子を上げて、チームに貢献したい思いは強い。

　相手先発は注目の松井裕。前田は１０年５月１５日の日本ハム戦（マツダ）で、ダルビッシュ（現レンジャーズ）と投げ合い、大きな刺激を受けた経験がある。

　今度は先輩として貫禄を見せる番だ。「あれからは自分も成長していると思う。しっかり投げたい」ときっぱり。球界の未来を担う逸材に、刺激を与える投球を披露する。