野村57日ぶり星!鯉一夜で2位再浮上
「交流戦、広島6‐1楽天」(18日、マツダ)
広島・野村祐輔投手(24)が7回5安打1失点、無四球の好投で4月22日以来57日ぶりの4勝目をマークした。低めを丁寧に突き、各打者に的を絞らせなかった。チームは9連敗の後、交流戦2度目の2連勝。阪神と入れ替わり、1日で2位に返り咲いた。
久しぶりに上がる本拠地のお立ち台。野村が絶叫する。「最高です!」。7回1失点で、4月22日のヤクルト戦(神宮)以来の4勝目だ。序盤から援護をもらい、無四球と、リズムも良かった。満面の笑みとともに、鯉党へその思いを伝えた。
「初回はよくなかったけど修正できた。二回から自分のテンポで投げられた。今季、一番の投球」。心からの、とびきりの笑顔だ。
初回は三者凡退ながら「投げ急いだ」。二回から今季初スタメンマスクだった倉の助言で、投球リズムを変えた。「ゆっくり投げてみよう」。自身の間で右腕を振った。
四回に、初めて安打を浴びたが無失点。六回は2連打で得点圏に走者を背負うも、藤田を外角のシュートで遊ゴロ併殺打に仕留めた。「右打者、左打者に関係なく内角に投げられた。自分の思い描いているものが出せた」と納得の表情だ。
野村監督も賛辞を惜しまなかった。「いろんな球種をコースに投げられた。ほぼ文句の付けようがない」
万全の右肩が好投を支える。昨季は「右肩関節唇損傷」で戦列を離れた。終盤に1軍復帰後も「痛みが出ないか気になっていた」。その影響で「左腕が使えなくなった。それまで左腕を支点にして腕を振っていたのに、右手が支点になった」。いわゆる手投げになり、本来の球のキレ、制球力が影を潜めた。現在、「肩は大丈夫」と言い切る。
今季は不調で5月1日に2軍落ち。1カ月間、下半身を一から鍛え直した。「体全体を使って投げられる」と畝投手コーチは言う。
1軍復帰後2度目の先発登板で白星を得た野村は「これから巻き返していけるように頑張る」。チームは9連敗後、交流戦2度目の2連勝。1日で阪神を抜き2位に再浮上した。復調した右腕が、首位・巨人追撃のキーマンになる。