「交流戦、広島６-２楽天」（１９日、マツダ）

　生き残りへ、必死のアピールだ。楽天の新人左腕・松井裕攻略に手こずったが、突破口を開いたのは広島・ロサリオだった。三回２死二、三塁で、外角の球を右前へ先制の２点適時打。沈黙していた攻撃陣に勢いを付け、勝利に導く一打だった。

　初対戦の相手だったが見事に対応した。松井裕が前打者のエルドレッドにチェンジアップを使っていたの見て、「自分にもチェンジアップで来るだろう」と考えた。そして打席の中で打つポイントを前に置き、逆方向を意識したという。

　今が正念場だ。９日にキラが不振で登録を抹消され、この日から再登録が可能だった。いつ２軍に降格してもおかしくない状況のロサリオだが、３試合連続打点で３連勝に貢献。外国人枠については「ルールだからね」と多くを語らなかったが、１軍残留へ内に秘める思いは熱いはず。外国人枠に頭を悩ます野村監督も「ロサリオもキラも競争」と競い合うことを願っている。

　来日中のサンディー夫人と子供たちの前でヒーローになったロサリオは、「２軍でも内田監督と話をして勉強した。日本に来てから打撃がよくなっているよ」と自信をみなぎらせた。２軍に落ちないためにも打ちまくる。厳しい世界だが、やるしかない。