鯉4連勝!大逆転そして運も味方した
「交流戦、広島8-4日本ハム」(21日、マツダ)
ビックリ仰天の猛攻撃で4連勝じゃ!4点を追う五回、広島打線が岩本貴裕外野手(28)の左越え2点適時三塁打など、打者一巡の猛攻で今季最多の1イニング8得点。大逆転劇の直後に雨脚が強くなり、六回降雨コールド勝利を収めた。AKB48の新チーム「Team8」のメンバーがライブパフォーマンスなどで盛り上げた一戦で、野村鯉が運も味方に付けた。
3万人を超える鯉党の歓声が止まらない。4点を追いかける五回の攻撃。鯉打線が爆発し、打者一巡の9安打と打ちまくった。スコアボードに刻まれた得点は「8」。今季1イニング最多得点の大逆転劇だ。
四回まで日本ハムの先発メンドーサの“動く球”に苦しんでいたが、田中が突破口を開いた。「まだ4点差だし、自分が出れば」。7日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来、安打がなかったが、詰まりながらも左翼線へ運び、左翼・中田の緩慢な守備も見逃さず、一気に二塁を陥れた。
この一打で沈黙していた打線に火が付いた。1死後、木村の中前適時打で1点を返すと、天谷、菊池も連打で2点差。丸の四球で満塁と好機は膨らみ、エルドレッドの右犠飛、ロサリオの二塁適時内野安打で、あっという間に同点に追いついた。
ここでメンドーサをKOすると、代わった藤岡にも鯉打線は襲いかかった。2死一、二塁で打席には岩本。初球だった。外角に来た甘い球を逆方向にはじき返した打球は、そのままフェンスを直撃。巨体を揺らして激走し、自身3年ぶり3本目となる三塁打でついに逆転に成功した。
名誉挽回の一打だった。五回の守備で中島の左前打を後逸。その失策が失点につながっただけに、「投手に負担を掛けてしまった。みんながいい流れをつくっていたので何とか乗りたいと思った」と神妙な面持ちで語った。
その後も攻撃の手を緩めず、終わってみれば打者13人で9安打8得点。しかもこの逆転劇の直後に雨脚が強くなり、降雨コールドで勝利も転がってきた。
運も味方し、チームは今季3度目の4連勝。日本ハム戦の連敗も7でストップした。野村監督は「いい集中を見せてくれたね。また明日こういう試合をしたい」と満足そうに微笑んだ。鬼門の交流戦も残り1試合。最後を白星で気持ちよく締め、リーグ戦再開に勢いを付ける。