新井「古巣で燃え尽きる」再出発決断
今季限りで阪神を退団した新井貴浩内野手(37)が14日、広島と正式契約を結び、07年以来の古巣復帰を果たした。マツダスタジアムで入団会見に臨んだ新井は、古巣への感謝と決断までの苦悩を吐露。来季の定位置奪取と優勝に貢献することを誓った。年俸は2000万円、背番号は「28」に決まった。
表情は終始硬かった。古巣復帰を果たした新井は「カープから帰ってこいと言っていただけるとは想像がつかなかった。かなり悩んだが、最後は育ててもらったところで燃え尽きようと思った」と、覚悟を語った。
涙のFA宣言から7年。阪神に移籍してからは、鯉党のブーイングも浴びた。それでも自ら阪神を自由契約で退団する道を選択したのは「もう一回勝負したい」と、出場機会を求めたからこそ。「自分が帰っていいものか…」という葛藤を振り払った。
年俸は今季2億円の10分の1となる2000万円。阪神から提示された8000万円も大きく下回る。それでも抵抗は「全然ない」という。背番号は名三塁手の衣笠祥雄が欠番「3」を背負う前につけた「28」に決まった。
球団は三塁の定位置を争うことを期待している。復帰へのラブコールを送った松田元オーナーも「活躍したらファンは認めてくれる」と、背中を押した。
三塁には堂林、梵らライバルは多いが「自分は挑戦者。余計なことは考えず、ガムシャラに泥だらけになってやる」。あと146本に迫った通算2000安打などの個人記録には関心を示さず「プレーで感謝の気持ちを表す」と誓った。プロ16年で未経験の優勝。故郷で成し遂げる。