松山覚悟の激やせ…鯉のアンパンマンが
広島の松山竜平外野手(29)が24日、“激やせ”した姿で日南入りした。25日から始まる先乗り自主トレを前に、宮崎県日南市の宿舎に一番乗り。昨シーズン終了直後の体重94キロから、約2カ月半で6キロのダイエットに成功。肉体改造でプロ入り後最軽量の88キロのボディーを手に入れたアンパンマンが、苦手な守備と走塁でもアピールし、定位置奪取&全試合出場を目指す。
引き締まった体は、無言の決意表明だった。大量の野球道具を携え、一番乗りでチーム宿舎入り。間もなく始まる定位置を懸けたサバイバル戦に、松山は88キロの“最軽量ボディー”で挑む。
スリムになった顔が緩んだ。「6キロ落としてきました。頑張りましたね」。今オフは食事制限に加え、母校・鹿屋中央(鹿児島)での自主トレでは1日1時間の走り込みを課し、中でも短距離を重点的に敢行。自主トレで共に汗を流した中村憲が「別人のようになりましたよ」と驚くほどの変貌ぶりだ。
昨年6月の試合中に左膝じん帯を損傷したことで、減量を決断した。「年齢を重ねてケガが多くなってきた。キレを出そうと思った」。リハビリに時間を費やした昨季だったが、80試合で打率・318を記録。ケガさえなければ、結果を出す自信はある。
狙うのは右翼の定位置だ。今季から指揮を執る緒方監督は守備力と機動力を重視している。もちろん松山自身も理解しており、「そのために体を軽くした」と打撃だけでなく、苦手な守備と走塁でもアピールする覚悟だ。
ライバルは多い。成長著しい鈴木誠やベテランの広瀬、新加入のドラフト1位・野間らとの争いになるが、「打撃には自信を持ってるので、細かい動きで変わったところを見せたい」と鼻息を荒くした。
減量による打撃面への影響には「パワーは落ちてない」と断言。筋トレを強化してきたことで、練習でも飛距離に陰りはないという。「『1番いいのは打撃。そこでアピールしないと先がなくなるぞ』と(緒方監督に)言われてるので」。守備、走塁にも力を入れるが、自分の持ち味が何かは忘れていない。
緒方監督1年目となる今季は、松山にとっても30歳を迎える節目の1年だ。「レギュラーは渡さない」と語気を強め、「3割?もちろん。あとは全試合出場。チームの力になって優勝、日本一。心から幸せな1年にしたい」。アンパンマンが、スーパーマンへと進化する。