鈴木誠「前田ロード」歩む!全試合出場
日南自主トレ中の広島・鈴木誠也外野手(20)が29日、全試合出場を誓った。「オフからずっと、そのつもりでやってきた」。右翼の定位置奪取を狙う今季。高卒3年目の外野手が全試合出場を果たせば、前田智徳氏(43)=野球評論家=以来の快挙。急成長中の若コイがサクセスロードを歩む。
石を砕くような打球音が、球場にこだました。「打球が強い。つぶすような音がする」。チーム関係者が驚けば、選手内でも「モノが違う。イチ押しですね」と声が飛んだ。プロ3年目、鈴木誠が赤丸急上昇中だ。
「みんな口で言ってるだけですよ」。控えめに笑った。まだ、あどけなさが残る20歳。だが、グラウンドに立てば、高い身体能力を見せる。この日の外野ノックでは、右翼の定位置から三塁へダイレクト返球。50メートル5秒8の快足も魅力の一つだ。
最大の武器は昨秋の21Uワールドカップで首位打者を獲得した打撃。今オフは丸に弟子入りして、現在もバットの出し方、構え方などの助言を受ける。「1番・右翼」の定位置奪取、そして全試合出場へ「オフからずっとそのつもりでやってきた」と言葉にも力がこもる。
「打撃も守備も走塁も、僕の立場ではキャンプ初日から、とにかくアピールしないといけないですから」
天才打者の系譜を受け継ぐ背番号51。前田の引退試合では「1番・右翼」で出場した。高卒3年目の外野手で全試合出場となれば、92年の同氏以来となる。「まだ3年目というより、もう3年目。やらないといけない」と鈴木誠。レギュラーの座は譲らない。