黒田完投調整!脱メジャー流、球数倍増
「広島春季キャンプ」(20日、沖縄)
ミスター完投再び!!広島の黒田博樹投手(40)が20日、今キャンプ2度目のブルペン入り。捕手を座らせて76球を投げた。37球だった18日の初ブルペンから倍以上を投げ「自分としては準備しておかないといけない」と、シーズンでの完投を見据えていることを明かした。脱メジャー流で、8年ぶりの日本野球に対応する。
軽快なリズムを奏でるように、テンポ良くミット音が響いていた。「今の曲がりは?」「キレはどうだった?」。黒田はボールを受ける石原に、1球1球確認しながら投げた。今キャンプ2度目のブルペン入り。スライダー以外の全ての変化球を交え、球数は76球まで増えた。
「フォーム的にも安定していたし、投げていて疲れも感じなかった」。37球だった18日のブルペンから、球数は倍以上となった。ここに一つの“変化”がある。
メジャーのキャンプでは、球団が球数を制限する。ブルペンでの投球練習は大半が30球前後だった。それを考えれば「76球」はかなり多い。
メジャーではシーズンの登板間隔は中4日がメーン。日本では中5日、中6日が主となる。一方で1試合の投球数は、100球前後だったメジャーに比べ、日本の方が多くなる。「76球」の投球練習は、シーズンの完投を見据えた準備だ。
「100球以上投げるブルペンも必要だと思う。シーズンに入って完投や8回、9回を投げようと思えば、試合前のブルペンや、イニング間も合わせて150~160球を投げる。そう考えると(現時点で)100球近くは投げておきたい」
メジャーでの完投数は7年でわずか6。だが日本では11年で74を誇る。01年には27試合の登板で13完投。「黒田=完投」のイメージは強い。「あとは監督の方針だけど、自分としては準備しておかないといけない」と、今後も球数を増やしていくつもりだ。
この日は元監督の山本浩二氏がキャンプを訪問。黒田のブルペン投球を見て「軽く投げてもボールがピッとくる。何球投げても疲れないフォームだ」と絶賛した。次のクールではフリー打撃にも登板する予定。シーズンへ順調な調整が続いている。