マエケン3回0封!雨も敵もピシャリ
「練習試合、DeNA5-5広島」(1日、宜野湾)
開幕投手に内定している広島・前田健太投手(26)が、練習試合に先発。今年初の対外試合で3回を1安打無失点と好投した。この日は早朝からの雨に加え、風速9メートルを超える悪天候。それでも奇跡的に試合が開催され「晴れ男でしょう。できたから、僕のおかげです」と“雨男返上”を強調した。開幕まで残り1カ月。エースが順調な調整を続ける。
上空を厚く覆った雨雲は、エースの登場を歓迎するかのように消えた。今年初となる対外試合の登板で、3回を投げて1安打無失点の好投。だが投球結果以上に、試合の開催自体に意義がある。前田が雨の宜野湾を、晴れ空の午後に変えた。
「投げられたので良かったです。右打者の内角にも初めて投げたので」。初回、石川を内角の直球で投ゴロに打ち取ると、桑原には「魔球」と話す縦スライダーで三ゴロに。梶谷は外角低めの直球で空振り三振に斬った。
風速は9メートル超。二回、山下幸を迎えた初球は、あまりの強風でよろけたほど。それでも崩れず外のチェンジアップで空振り三振。三回は、失策で出した走者を一塁に置き、石川を「狙い通り」の外角へのツーシームで遊ゴロ併殺に仕留めた。
一昨年に3度、昨年は4度、登板予定の試合が雨天中止。自他共に認める「雨男」だが、雨予報だった2月25日の紅白戦は無事に行われ2回無失点。「1日に晴れればホンモノ。申し訳ないけど称号を外してください」と、並々ならぬ決意?で臨んだ一戦だった。
「晴れ男でしょう。普通ならできなかったけど、僕の力で(試合開催へ)もっていけた。僕のおかげです」
宜野湾でのDeNA戦は昨年、一昨年と2年連続で雨天中止。なおさら試合開催の意義を強調した。
計45球。直球の最速は147キロだった。習得中の縦スラは「勝負球として使えるように、打者の頭に入るぐらいには仕上げたい」と9球投げ、ロペスも三ゴロに打ち取った。
13年ぶりとなる本拠地開幕、3月27日のヤクルト戦まで残り1カ月を切った。「きっと想像もつかないと思う。そのマウンドに立てるよう、しっかり準備したい」と前田は静かに笑った。2年連続5度目の大役へ。雨男を“返上”したエースの調整に狂いはない。