鯉ドラ1野間 強肩&猛打ショー魅せた

 「DeNA3-2広島」(2日、横浜)

 横浜の夜空に期待の新星が輝いた。広島のドラフト1位・野間峻祥外野手(22)=中部学院大=が、一時は同点となる中越え適時三塁打を含むプロ初の3安打猛打賞と強肩でプロ初補殺を記録。チームはDeNAに09年以来、6年ぶりとなるカード3連敗を喫したが、背番号37が今後のさらなる飛躍を予感させた。

 無心だった。セーフの判定を確認すると、野間は泥だらけのまま右拳を握った。勢いよく頭から滑り込み三塁を奪い取った。プロ初の猛打賞は快足を生かした適時三塁打で決めた。

 1点を追った八回2死二塁。カウント3ボール1ストライクからの5球目。「ストレート一本に絞って思い切りいきました」。国吉の146キロ直球を振り抜いた打球は向かい風を切り裂き、中堅方向へ伸びた。関根の頭上を越えた瞬間にギアを一段アップ。50メートル5・8の俊足をかっ飛ばし、三塁にヘッドスライディングした。

 前田が七回まで投げ、8安打を浴びながら2失点と粘投していた。今季初打点はエースの黒星を消す、値千金の一打でもあった。

 四回は二塁内野安打で出塁し、六回には右中間突破の二塁打を放った。試合前練習で、緒方監督からアドバイスをもらった。その期待に一発回答するプロ初の3安打猛打賞だ。

 守備でも輝きを放った。1-2の七回2死一、二塁で、石川の右前打をさばくと本塁へノーバウンド送球。「思い切り投げました」二走・松本の生還を阻止し、プロ初の補殺を記録した。

 今の姿があるのは、大学1年冬に他界した叔母の存在があったから。大学1年の冬「楽しくなかった。本気で野球をやめようと思った」という。だが、そのとき叔母の“遺言”が胸に突き刺さった。「葬式に参加した後に、叔父さんから電話があったんです。叔母が僕に野球を続けてほしいと言っていたと聞きました」。幼少期からプロ野球選手を目指していたことを知っていた。期待に応えたい思いが再熱した。

 叔母の遺志に報いた3安打。だが、チームはDeNAに09年以来、6年ぶりにカード3連敗を喫した。うれしさよりも悔しさがこみ上げた横浜の夜。野球を続けさせてくれた恩人のため、これからも全力プレーで白星を奪いに行く。

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