緒方鯉6連敗 試練…主砲グスマン抹消
「中日5-4広島」(5日、ナゴド)
鯉がWショックに見舞われた。広島の新外国人ヘスス・グスマン内野手(30)が5日、中日戦の試合前打撃練習で左脇腹を痛め、出場選手登録を抹消された。主砲を欠いたチームは痛恨の延長十二回サヨナラ負けで、泥沼6連敗だ。それでも緒方孝市監督(46)は「広島に帰って、連敗を止めるようにしたい」と、7日からの巨人3連戦での仕切り直しを強く誓った。
打球は無情にも左翼手・天谷の前で弾んだ。歓声と悲鳴が交差するグラウンド。今季最長4時間39分の死闘も、延長十二回サヨナラ負けを喫した。6連敗。緒方監督は「しんどい遠征になってしまったね」と、声を絞り出すように言った。
中盤までは優位に立った。初回に福井が2点を失ったが、五回に会沢からの3連打や相手のミスも絡み、4点を奪って逆転に成功した。だが継投に失敗し、七、八回に失点。打線も八回1死一、三塁の好機で堂林らが凡退するなど、あと1本が出なかった。
試合前にアクシデントがあった。グスマンが打撃練習中に左脇腹を負傷。すぐに出場選手登録抹消が決まった。2軍の名古屋遠征に帯同していたロサリオを緊急招集し、4番に起用したが、開幕から8戦連続安打中で、打率・333と安定した成績を残していた主砲離脱のマイナスは計り知れない。
開幕前にはエルドレッドが右膝半月板損傷で帰国した。復帰が6月にずれ込むことを受けて、ネイト・シャーホルツ外野手を緊急補強。その矢先の受難に、緒方監督も「明日、詳しい検査をしてみないとなんともね。チームに必要な選手だから」と表情を曇らせた。
早くも4度目の延長戦で4敗。昨季は8連勝を含む11勝3敗2分けと延長戦に強かったが、今季は粘り強さがみられない。この日は、右肘痛で代打出場を続けてきた新井が五回から守備に就いた。「こういうチーム状況なので、問題がなければ頑張ってもらいたい」と緒方監督。チームの非常事態を受けて、今後の先発起用に含みを持たせた。
7日からは本拠地に戻って巨人を迎える。緒方監督は「広島に帰って立て直すじゃないけど、野手にも投手にも奮起してもらって、連敗を止めるようにしたい」と語気を強めた。まだ9試合。長いトンネルを抜けた先に、光が待っているはずだ。