マエケン無援も孤軍奮投!意地の完投

 「ヤクルト1-0広島」(15日、松山)

 広島・前田健太投手(27)は今季最多となる126球を投げ8回6安打1失点と好投したが、今季初黒星を喫した。初回に四球から走者をため先制点を献上。二回以降は本来の姿を取り戻し力投したが、打線が5安打無得点に封じられた。チームは連敗で、阪神とともにリーグで最初に10敗目を喫した。

 敗戦の責任を感じていた。バスへと向かう通路。前田は「悔しい」という言葉を連呼する。自身の仕事は1つ。チームに歓喜をもたらすことのみだからだ。

 「向こうは0点に抑えて勝った。自分の立場では、試合をつくることじゃなく、勝利に導くことが仕事。最初の1点が負けにつながった。悔しいです」

 痛恨の10球だった。初回、先頭・山田にストレートの四球。田中浩には2ボールから送りバントを決められ、川端は高めに浮いた直球を右前に運ばれた。1死一、三塁で雄平には、外角カーブを右前へ。リズムに乗れず苦しい立ち上がり。燕打線は、それを見逃してくれなかった。

 それでもエースには抜群の修正力がある。「もう1点もやりたくないと思って投げた」。0-1の六回2死一、二塁では、畠山を146キロの直球で空振り三振。七回1死二塁のピンチでも後続をピシャリと封じた。11年5月8日のヤクルト戦以来となる松山での登板。今季最多126球を投げ8回6安打1失点。完投しながら初黒星を喫したが、緒方監督は「初回に点を取られたが、その後をしっかり投げてくれた」とたたえた。

 発泡スチロール製の超軽量球を使い、力を抜いて投げる感覚を磨いている。「力を抜いて投げないと、そのボールではいい回転をした球は投げられない。これまでは無意識に力が抜けていたけど、これからは意識して力を抜けるようにしたい」

 意識的に力を抜くことができるようになれば、どんな状況でも自分の投球ができる。理想はリリースの瞬間だけ力を入れること。飽くなき向上心が、マエケンを支えている。

 「感覚的にはきょうが一番良かった。次につなげたい」。内容も、結果も、高いレベルを求める。それがエースだからだ。

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