エルド復帰計画語る…交流戦開幕メド
3月に米国で右膝内側半月板部分切除の手術を受け、リハビリ中の広島のブラッド・エルドレッド内野手(34)が16日、早期の1軍復帰に強い意欲をみせた。今週からティー打撃を再開しており、この日も大野練習場で力強いスイングを披露した。チームは6月中の復帰を見込んでいるが、主砲は交流戦が始まる5月中の復帰を見据えている。
ひときわ甲高い打球音が、大野練習場に響き渡った。それは傍らでマシン打撃をする2軍選手より、はるかに大きかった。エルドレッドが手術を受けた右膝をかばうことなくフルスイング。今週から再開したティー打撃は、圧倒的な迫力に満ちていた。
「バットは力強く振れている。手術を受けたからといって、スイングに問題はない。手術から約1カ月がたったけど、順調だよ」。主砲は時折、笑顔を交えて、回復状況を明かした。早期復帰への手応えが、その全身にみなぎっていた。
アクシデントは春季キャンプ中に起こった。2月26日の練習試合、韓国・KIA戦(コザしんきん)で右膝を痛め、検査の結果、「右膝半月板損傷」と診断された。3月上旬に米国に一時帰国。現地時間16日に右膝内側半月板部分切除の手術を受け、今月10日に再来日した。その後は大野練習場でリハビリを続けてきた。
ティー打撃再開は本人からのリクエストだ。リハビリメニューにはなかったが、順調な回復に体がうずいたという。「(患部の)可動域は取れているし、腫れもない」と福永3軍チーフトレーナー。回復状況にはトレーナー陣も太鼓判を押す。
チームは復帰時期を6月中と見込んでいる。だが、エルドレッドは「それ以前に戻りたい気持ちがある。できるだけ早く」と言い切った。5月26日からは、パ・リーグ本拠地でDH制が採用される交流戦が始まる。それが1つのメドになる。今後はランニングや瞬発系のメニューを再開する予定。「ステップアップしていくよ」と力を込めた。
開幕から15試合を終えて、総得点38はリーグ最低。昨季の本塁打王を欠くチームの得点力不足は深刻で、最下位に沈む。「復帰して、期待に応えたい」。昨季の開幕ダッシュを支えた男は、最後にこう誓った。一日も早く戦列に復帰し、その太い二の腕で緒方鯉を救う。