大瀬良どうした…遠い初星5失点KO
「巨人6-3広島」(21日、上毛敷島)
新人王右腕に試練だ。広島・大瀬良良大地投手(23)が巨人打線に痛打を浴びて、5回6安打5失点でKOされた。これで開幕から登板3試合で勝ち星がなく、今季初勝利はまたもお預け。試合後は「きょうみたいな投球をしていたら、信頼をなくしてしまう」と肩を落とした。しっかりと修正して次回こそ、勝って笑う姿が見たい。
敗戦の責任を一身に背負いながら、大瀬良は反省の言葉を並べた。要所でことごとく乱れた制球。持ち前の強気な投球が影を潜め、慎重な姿勢がわずかな制球ミスを生んだ。5回6安打5失点での降板には、大きな悔いが残った。
「自分で自分を苦しめてしまった。慎重にいきすぎてボール、ボール。ボール先行で、バッティングカウントで打たれてしまった」
振り返った言葉通りの投球だった。象徴的だったのは五回。苦しみながらも3失点で迎えたマウンドだった。先頭の長野を四球で歩かせると、送りバントを挟んで1死二塁。ここで橋本に3ボールからの4球目、ストライクを取りにいった142キロ直球を狙われた。
打球は左中間を深々と破る適時三塁打。さらに続く4番・坂本には、7球目の直球を右越えへ適時三塁打された。「結果論ですが、厳しいところを意識して狙いすぎて、ボール先行になってしまった」。粘りきれなかった85球。2者連続の三塁打で2失点。万事休すだった。
「もっと大胆にいってもよかった。気持ちの面でもそうですけど、思い切り腕を振ってストライクゾーンで、勝負できるようにならないといけない」
勝利を期した14日・ヤクルト戦(松山)は好調な立ち上がりも、二回終了降雨ノーゲーム。8回1/3を1失点と好投した7日・巨人戦(マツダ)以来の登板となった。開幕から3戦2敗。2年目の今季は白星が遠い。畝投手コーチは「外の球がきていなかった。シュート回転していた」と指摘し、「もう少し、戦う姿勢を見せて欲しかった」と続けた。
新人王右腕に訪れた試練。だが、自らの腕で、力で乗り越えるしかない。「勝つにこしたことはないけど、今日みたいな投球をしたら、信頼を失ってしまう。チームの力に、勝利に導ける投球をしたい」と大瀬良。次回登板での雪辱を誓い、前を向いて帰路に就いた。