“藤浪キラー”松山で今季初4連勝
「阪神3-8広島」(8日、甲子園)
藤浪キラー健在じゃ!!広島の松山竜平外野手(29)が、決勝打を含む猛打賞の活躍。今季これで6打数5安打と藤浪をカモにする。緒方孝一監督(46)も「きょうは松山。先制点が大きかった」と絶賛。チームは3戦連続2桁安打で今季初の4連勝。8安打で7点を奪って、天敵をついにノックアウトした。これで5位阪神に0・5差。5連勝でまずは最下位脱出を狙う。
見逃せばボール球だった。0-0で迎えた三回。無死一、二塁の好機も、丸、新井が連続三振で2死となった。ここで打席に松山。カウント1-1からの3球目、外寄り高め153キロの直球を狙った。コンパクトに振り抜いた打球は左前に抜けた。二走の田中が一気に生還。貴重な先制点がV打となった。
「ストレートに自信を持っている投手なので、僕もそれに振り負けないように。勝負にいって打席に入った」
松山が突破口を開くとなおも2死満塁から、木村昇が押し出し四球で2点目を奪う。さらに続く会沢は初球、144キロのカットボールを狙った。「追い込まれると厳しいので(初球から)いきました」。左翼線を襲う走者一掃の適時二塁打。この回、一気に5点を奪って試合を決めた。
「きょうは松山。先制点を取れたのが大きかった」と緒方監督。二回に中前打、四回にも左前打で今季2度目の猛打賞。藤浪との対戦は今季6打数5安打(打率・833)。昨季も19打数8安打(同・421)で、キラーぶりを見せつけた。昨季まで1勝8敗の天敵から、早くも今季2勝目だ。
4月18日の中日戦。走塁中、左太もも裏に痛みが走った。昨年もあった古傷再発。チームドクターの診断は「左太もも裏筋挫傷」だった。「またか…」。松山は絶望の淵にいた。状態も上向き、出場も増えてきた矢先だ。
「僕は次の日も、テーピングをぐるぐる巻きにして、グラウンドに立つつもりだった」
翌19日。出場を訴える松山を制したのは、緒方監督だった。「しっかり治してこい。お前のことは戦力として考えているんだ。早く戻って来てくれ」。一言、一言、熱い言葉が胸に染みた。「あまりそんなこと言ってもらえないので」。必要とされていることが、リハビリの力になった。
松山は守備でも2度の好守で戸田を援護した。打線はここ3試合で39安打25得点。完全復調の気配を漂わせている。チームは菅野(巨人)、藤浪と天敵を撃破。4連勝で5位阪神に0・5ゲーム差に詰めた。さあ、5月反攻へ。まずは5連勝で最下位脱出を狙う。