福井孝行星!母の日&母の誕生日
「阪神2-7広島」(10日、甲子園)
マウンドでは常に冷静だった。ピンチでも堂々と、脱しても堂々と。細心かつ、大胆に攻めた100球。広島・福井が連勝バトンをつないだ。「勝てて良かった。母の日に、いいプレゼントができました」。7回を投げて4安打1失点。リベンジ登板で2勝目を手にした。
「立ち上がりをしっかり入っていけたのが良かった。リズムを意識して投げた」。初回、上位打線を3人で抑えると、圧巻は続く二回。4番ゴメスに3球連続フォーク勝負。空振り三振に斬った。さらに2死から新井良は直球で勝負。見逃し三振に抑えて波に乗った。
三回に1点を失ったが、後続を断って最少失点で切り抜けた。「先頭をしっかり切っていけたのが、一番大きい。なので三回も1点でいけたと思う」。前回登板の3日・ヤクルト戦(神宮)は、2回2/3を4失点でKOされた。苦手意識から、焦って「自分と勝負できなかった」と反省。「原点」に戻って修正した。
「足をしっかり着けてから、投げることを心掛けた。上半身と連動させないと球に力が伝わらないので」
最速150キロ。リードした会沢も「きょうは特にストレートが良かった」と絶賛した。5連勝で巡ったバトン。福井は「プレッシャーはあった」と笑った。「僕はこの前、やらかしているので。置いていかれると思って、一生懸命投げました」。緒方監督も「彼にはまた次回、マウンドに上がってもらうよ」と次回登板を約束した。
試合前のウオーミングアップと降板後には、左手にピンク色のリストバントを巻いた。5月10日、母の日。また、5日は明美さん(58)の誕生日でもあった。「前回、勝てなかったので。母の日と誕生日、一緒にいいプレゼントができました」と福井。母にささげた2勝目。6連勝の立役者は優しく笑っていた。