福井粘投3勝目!七回途中1失点
「広島2-1DeNA」(17日、マツダ)
心は熱く、頭は最後まで冷静だった。最大のピンチは六回。広島・福井は無死一、二塁から筒香を一飛に抑えると、ロペスを三ゴロ併殺に打ち取った。6四球を与えながらも粘りの投球で6回2/3を3安打1失点。2連敗で託されたマウンドだったが、首位チーム相手に意地の3勝目だ。
初回に2死から一、二塁のピンチを迎えた。ここでロペスに直球を投げようとした時、体勢を崩した。そのまま投じた球が偶然にも不規則な変化をする“魔球”となり、空振り三振。「ツキもあった」と頬を緩めた。
七回1死一、二塁で代打バルディリスを空振り三振に斬り、交代。イニング途中での降板となったが、今季最多の121球の熱投にスタンドからは大きな拍手が注がれた。
5年目の27歳。経験は成長の糧になっている。「三振を取らないといけないとか一昨年までは思っていた。けど、昨年の終盤から変わった。いまは一人で投げている感覚はない」。ピンチでは梵から、菊池から声が掛かる。「一丸」の気持ちが福井の好投を支える。
緒方監督からは「まだまだだ。でもよく粘った」と声を掛けられた。求められるものは高い。「チームのためにも、きっちり勝ちを取っていきたい」と福井。昨季4勝の右腕が早くも3勝。連敗を止める価値ある粘投だった。