菊池人生初サヨナラ弾!今季延長初勝利
「広島2-1ヤクルト」(22日、マツダ)
広島が今季2度目のサヨナラ勝ちを収めた。菊池涼介内野手(25)が1-1の延長十回、左越えに3号ソロ。開幕から不振にあえいだ男が、意地の一振りで人生初のサヨナラ弾を放った。延長戦は今季7度目で初勝利。今季最多の観客が詰めかけた本拠地で、連敗を2で止めた。この劇的勝利を反攻のきっかけにしてみせる。
ホームインと同時に手荒い祝福が待っていた。ナインにもみくちゃにされる真ん中に、ヒーローの菊池がいた。1-1の延長十回。2死から徳山の直球を捉えた。打球は大きな弧を描き、左翼席に飛び込んだ。「人生初」というサヨナラ弾。今季最多3万2228人が集結したマツダスタジアムが沸騰した。
カウント1-1からの3球目。ポイントは初球のファウルだった。「思い切りいこうと思った。初球をブーンと振れたのは久しぶりだった。昨年のような懐かしい感じがした」と好感触を得ていた。最高の結果に「うれしいです」と、声を弾ませた。
お立ち台でのヒーローインタビューの最後は、野間と鈴木誠に頭から水をぶっかけられた。「お前らのせいでスパイクがダメになった」と笑った。苦しみから解放された達成感が全身を包んでいた。
開幕から不振に苦しんだ。ボール球に手を出し、凡退を重ねた。打率・325をマークした昨年の面影はなかった。ただ、菊池には驚異の守備力がある。「打てない分、守る。守備は100%じゃないといけない」。この日も四回1死一塁、ミレッジのゴロを捕球すると一塁走者にギリギリでタッチし、一塁送球で併殺を完成させた。
打てなくても、落ち込まない。切り替えて守備に全力を注ぐ。ふさぎ込むことなく、日々を懸命に過ごした。打撃についても「毎日練習はしていますから。どこかできっかけがある」と前向きに取り組んできた。不断の努力がやっと報われた。
今季7度目の延長戦でようやく初勝利を挙げ、連敗を2で止めた。緒方監督は「キクは開幕から打てなくて悔しい思いをしたと思う。でも、彼の持ち味の思い切りの良さが出た」とたたえた。
今季チーム初のサヨナラ弾。4日・巨人戦で今季初のサヨナラ勝ちを収めると、そこから6連勝を飾った。菊池は言った。「前回はサヨナラ本塁打からいい流れが来た。今回もいい流れになれば」。力強く、チームの巻き返しを誓った。
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