黒田惜しっ…白星あと一歩無念降板
「広島2-1ヤクルト」(22日、マツダ)
マウンドで首を傾けて、がっくり肩を落とした。右くるぶし炎症からの復帰2戦目。粘りの投球を続けながら、広島・黒田は1球の失投に泣いた。だが、7回を投げて9安打1失点。4勝目は手にできなかったが、復調を示す103球の熱投だった。
「しのいで、しのいでという投球だった。いい守備もあったし、石原がうまくリードしてくれた」。1点リードの七回だ。1死一、二塁で山田と対戦。1-1からの3球目が「甘くなった」と、高めに浮いたフォークを狙われた。左翼線を襲う適時打で同点。後続は断ったが、痛恨の1球だった。
ただ、復調の兆しは見せた。今季8試合目の登板で、初めて石原とコンビを組んだ。6回まで毎回の7安打を許したが、3併殺で要所を締める投球。最速146キロの直球系に、変化球もキレた。右足の状態は万全ではないが「あまり欲は言えない。マウンドに上がったら結果を求められる」と、必死の投球でチームの勝利に貢献した。
黒田の粘投に新井の先制弾、菊池のサヨナラ弾で連敗ストップ。4カードぶりにカード初戦を取った。「彼(新井)のホームランで、1-0で勝てたらベストだったですけど。こういう形で初戦を取れたので。それが1番ですよ」。声が弾む。劇勝を呼んだベテランの意地。価値ある1勝となった。