エルド2発!交流戦キーマンに指名
「広島8-9ヤクルト」(24日、マツダ)
頼れる主砲が目覚めた。広島のブラッド・エルドレッド内野手(34)が右膝手術から1軍復帰後3戦目で、今季1号を含む2本塁打3打点と大暴れした。試合は九回に痛恨の逆転負けを喫し、借金7の単独最下位。26日から“鬼門”交流戦に臨むカープだが、復活した主砲に導かれ、反攻への機運をつくりたい。
これが昨季本塁打キングの弾道だ。エルドレッドが石山の外角球を捉えた打球は、ぐんぐん伸びて中堅右に突き刺さった。1-1の二回。右膝手術からの復帰3戦目、6打席目で待望の今季1号ソロが飛び出した。
さらに3-5の五回。新井の同点打とシアーホルツの勝ち越し打に続き、交代した秋吉の初球を左翼席へ。持ち味のパワーを見せつける2号2ランだ。
この日は2本塁打3打点。「最初の本塁打は粘ってからセンターの右にはじき返せた。2本目は少し浮いた初球を芯で捉えられた。いいスイングができた」。声援を送る鯉党の期待に応えた。
主砲の復活弾で沸きに沸いた本拠地。しかし試合は無念の逆転負けに終わった。エルドレッドが1試合2本塁打の試合は過去9戦9勝だったが、“不敗神話”は10戦目にして崩壊。「自分の仕事は本塁打と打点なので良かった。ただ、野球は個人競技ではない。チームが勝たないと満足感はない」と悔しがった。
8-7の九回2死一、二塁で中崎が三輪に許した逆転2点三塁打は、皮肉にも前進守備のエルドレッドの頭上を越えていった。七回に第4打席を終え、通常なら八回から守備固めが考えられるケース。だが緒方監督は「取ったり取られたりのゲーム。同点になった時のことを考えた」と延長戦も想定した采配だったことを明かした。
借金7で最下位のカープ。26日から過去通算105勝149敗10分けの“鬼門”交流戦が始まる。緒方監督は「今までにない形で点が取れた。一発で雰囲気や流れを持ってこられる。彼への期待は大きい」とエルドレッドをキーマンに挙げた。
巻き返しの命運を託された主砲は「対戦が少ない投手も多いが自分のスイング、アプローチを継続したい」と誓った。復活のバットで、パ・リーグの好投手を打ちまくる。