「広島８－９ヤクルト」（２４日、マツダ）

　満員のマツダスタジアムが悲鳴に包まれた。三輪の打球が、左翼エルドレッドの頭上を越えた。守護神・中崎が浴びた逆転打。手が届きかけた広島の白星が一瞬で消えた。

　８－７の九回だ。先頭・今浪の左前打から２死一、二塁とピンチを背負った。三輪に３ボール１ストライクから投じた直球が真ん中に甘く入った。痛恨の失投。救援失敗に中崎は「チームに対して申し訳ない気持ち」と、声を絞り出すのが精いっぱいだった。

　もちろん、敗戦は中崎だけのせいではない。打線の援護がありながら、先発した福井は制球難を修正できず、４回８安打５失点と崩れた。

　中継ぎ陣も同様にリズムに乗れず、８－５の六回は戸田が押し出し四球。続く８－６の八回には、永川も連打から失点した。２試合連続での逆転負け。畝投手コーチは「リードしているときの投球ができなかった」と苦渋の表情を浮かべた。

　２６日からは鬼門の交流戦が始まる。畝コーチは配置転換について「終わったばかりで、そこまでは考えていない」と否定。続けて「試合は続く。みんな前を向いてやってくれないと」と奮起を促した。ただ、早急に投手陣の整備が必要なのは間違いない。