福井粘って5勝目!1イニング3暴投も
「交流戦、広島3-1楽天」(7日、マツダ)
最後までポーカーフェースは崩さなかった。2点を勝ち越した直後の七回。福井は先頭に出塁を許したが、後続を断って降板。7回3安打1失点にまとめた。「勝たせてもらってます」。お立ち台に上がった勝利の殊勲者は笑みを浮かべ、野手の支えに感謝した。
最大のピンチは四回だった。2死二塁で打席に中川。2球目に暴投で三進を許し、5球目もフォークを引っ掛け、暴投で先制点を失った。ウィーラーの打席も含めて1イニング3暴投は、プロ野球タイ記録。なお2死二、三塁と崩れかねない場面を迎えたが、最後もフォークで空振り三振に斬った。
「ストライクゾーンにしっかり投げられるようになってきた。(ピンチでも)ビビらないように。自信というか、開き直って投げられるようになった」
記録は暴投だが、捕手の会沢が「あれは僕のミス」と反省した3暴投。福井は「アツは悪くない。仕方なかった」とし、バッテリーの信頼関係で最少失点にとどめた。3点の援護もあっての好投。「野手の方に勝ちを付けていただいている」と感謝も忘れなかった。
自身4連勝で黒田と並んで、チームトップタイの5勝目。昨季の4勝を早くも超えた。「打たれた時、顔に出さないようにしていたら、ガッツポーズも出なくなった。抑えたらホッとしてますね」と福井。119球の熱投に笑みがこぼれた。冷静に、冷静。進化した5年目右腕が浮上の切り札となる。