黒田 脱帽の6勝目!強打の鷹を8回0封
「交流戦、ソフトバンク0-6広島」(12日、ヤフオク)
広島の黒田博樹投手(40)が、8回を6安打無失点の熱投で、強力ソフトバンクを封じた。これで交流戦3戦3勝で、チームトップの6勝目。頼れる大ベテランの活躍で、昨年まで続いていたソフトバンク戦の連敗を6で止めた。「こういう展開になることを信じて投げた」。交流戦最後の3連戦、カード初戦。敵地スタンドの左半分を埋め尽くした博多の鯉党に、大ベテランが今季最多118球の熱投で応えた。
打球の着地点を確認すると、激しくグラブをたたいた。力強く右手を握る。復帰後最多の118球。黒田はソフトバンク相手に、最後までホームを踏ませなかった。8回を6安打無失点で、圧巻の交流戦3戦3勝。パの強力打線を完全に封じた。
ハイライトは八回。2死から連打と四球で、2死満塁のピンチを背負った。打席には4番内川。1球、1球に間を取る。マウンドをゆっくり回りながら、呼吸を整えて強打者に挑んだ。2-2からの5球目、真ん中低めにスプリットを投じた。
「状態はきょうが今までで、一番マシだったと思う。体の状態もまずまず。自分のボールを信じて、低めに投げることだけだった」
打球は中堅丸の定位置へ。最後までホームは踏ませなかった。
開幕前から痛みが残る右くるぶしは、依然として万全ではない。それでも「この年齢になると、痛みとは付き合っていかないと」と、満身創痍(そうい)でマウンドに上がる。疲れが出始める時期の3連勝。プロ19年目の経験、技術はここにある。
初回は「しょうもないミス」と、自身の一塁悪送球から2死満塁。ここで松田を遊ゴロに抑えると、六回の1死一、二塁では内川を内角のツーシームで遊ゴロ併殺打に抑えた。「慎重になりすぎた部分はあるけど、追い込んでから内角球を勝負球に使えた」。攻めの投球が勝機を生んだ。
緒方監督も最敬礼。「黒田に尽きる。気持ちで打者に向かった。最高の投球をしてくれた」と賛辞を並べた。交流戦はこれで8勝8敗。ソフトバンク戦の連敗を6で止めた。「いい投球が徐々にできてきたと思いますし、あとはチームがこのまま浮上していければ」と黒田。最下位脱出、そして逆襲へ。勝利への執念、戦う姿勢をグラウンドで体現した。