菊池ゼロ行進止めた!前半最終戦勝つぞ
「阪神5-2広島」(14日、甲子園)
執念の一打を前半戦最終戦につなげる-。広島・菊池涼介内野手(25)が七回、意地の適時打を放ち、チームに34イニングぶりの得点をもたらした。反撃及ばず今季3度目の3連敗を喫したが、菊池は「明日です。次です」と前半戦最終戦を勝利で締めくくると誓った。
左翼席の鯉党から、得点差に似つかわしくない大歓声が起こった。0-5の七回2死一、三塁。菊池が能見の直球を捉えて左前適時打。単なる1点ではない。積もったモヤモヤを払しょくする一打になった。
34イニングぶりの得点。10日・中日戦(ナゴヤドーム)の三回に2得点して以降、チームは無得点が続いていたが、3戦連続零封負けを阻止。八回には代打・松山も適時打。敗れはしたが流れは変わった。
菊池は「執念でした。取れる時に取らないと。もう1点入ったし、今日負けたからどうこうではなく、明日です。次です」と前を向いた。敗戦後では極めて珍しく、チームを鼓舞するように、元気よく話した。
打線は深刻を極めていた。初回2死二塁で新井が中飛。四回無死二塁でも鈴木誠、梵、田中が倒れた。菊池の適時打が生まれるまで、得点圏に走者を置いた場面で26人連続で安打がなかった。
永田総合コーチは「結果ばかりを追い求めている。狙い球を絞るなど、今できることをやるのが大事」と苦言を呈した。気負った選手は能見攻略の指示を打席で実践できなかった。それでも菊池の一打を「明日につながるヒットだ」と、前向きに捉えた。
菊池は両膝の痛みに耐えながら、全試合出場を続けている。八回、俊介の中前に抜けそうな打球を横っ飛びで追いつき、アウトにしてみせた。攻守で見せ場をつくり、あきらめない姿勢を示した。
チームは敗れ、今季3度目の3連敗となった。最下位中日とは1ゲーム差。15日の結果次第では、前半戦を最下位で終える危機に陥った。こういう時こそ、元気を出すのが菊池だ。「みんな攻めの姿勢は持っている。消極的ではない。結果はついてこなくても、明日です。次、次です」。うつむく暇はない。ただ前を向き、菊池は戦い続ける。