会沢意地弾…マエケン勝たせたかった
「広島1-2巨人」(24日、マツダ)
一矢を報いた。真っ赤に染まった右翼席に、広島・会沢が白球を放り込む。菅野の完封勝利を阻止する5号ソロ。土壇場で3万1525人が駆けつけた本拠地に歓声が沸き起こった。
九回にエース・前田が2失点。均衡が破れたその直後だ。1死から145キロの直球を振り抜いた。自慢のパワーで右翼方向へはじき返す。「マエケンがいい投球をしていた。何とかして勝ちを付けてあげたいという気持ちだった」。意地の一発で、ゼロ行進を止めた。
打線は初回から再三、得点圏に走者を置いた。だが、あと一本が出なかった。自身も0-0の六回1死一塁で遊ゴロ併殺打に倒れ、好機を拡大できなかった。「早い段階で点を取って、マエケンを楽に投げさせてあげたかった」。エース対決で踏ん張る右腕を援護できず、唇をかんだ。
初出場した球宴の第2戦でMVPを獲得した。並み居るスター選手に囲まれた中で、一つの結果を残し自信を手にした。だが「(後半戦も)1打席に集中していくことしか考えていない」。決して浮かれることはなかった。
「明日、頑張ります」と言うと、ロッカーへと歩を進めた。立ち止まっている暇はない。気持ちを新たに、再びグラウンドに立つ。