広島10年ぶり東京ドームで巨人3連倒
「巨人1-6広島」(9日、東京ド)
広島が10年ぶりに、東京ドームで巨人を相手に3連戦3連勝を飾った。0-1の七回、鈴木誠也外野手(21)が同点5号ソロを放った。この一撃が呼び水となって八回に勝ち越しに成功し、九回にも3点を奪った。チームは3連勝で、約1カ月ぶりに借金を3に減らした。脱落しかけていた首位戦線。再び追撃モードに入った。
行方を追った。打球は左翼席上段に飛び込んだ。鈴木誠は「ヨッシャー」とほえた。0-1の七回2死、田口のスライダーを捉えた。攻略に苦しんだ左腕から、同点の5号ソロを放った。
狙っていた。「スライダーが多くて切れていたので絞っていた。狙い通りに振れた」と胸を張った。7日・巨人戦では2安打を放つも、走塁死にバント失敗とミスが続いた。「ミスしても使ってくれる。結果で応えたいと必死でした」。この日は2安打1打点。九回には犠打も決めた。
この一発が火を付けた。1-1の八回。2番手マシソンから先頭の会沢が右中間二塁打を放ち、代走に赤松。続く代打・木村昇のバントを処理したマシソンが一塁に悪送球し、赤松が勝ち越しのホームを踏んだ。
采配が奏功した緒方監督は、3-1の九回、白浜以外の野手を使い切る積極策で3点をもぎ取った。東京ドームでは10年ぶりの巨人3連戦3連勝。巨人には5月にマツダスタジアムで3連勝しており、シーズン2度の巨人3連戦3連勝は14年ぶりだ。
緒方監督は「この3連戦は投手が頑張った。3試合で2失点だから」と投手陣を絶賛。その上で鈴木誠を「彼はこういう仕事もしてくれる。ミスはたくさんある。まだ返してもらっていないけれどね」と、期待を込めて辛口でたたえた。
鈴木誠は野間とともに、近い将来の主軸候補として開幕から1軍でプレー。マツダスタジアムではナイター後も室内で打撃練習を行う。「遠征は好きではない。練習する時間が減ってしまうから」と話す。打率は・313に上昇。野間とともに、1軍で存在感を発揮しだした。
カープは借金を7月11日以来の3に減らした。まず5割復帰、そしてさらに上へ。緒方監督は「気温以上の熱い戦いをしてもらいましょう」と、ナインに熱くゲキを飛ばした。