「広島１-２ＤｅＮＡ」（１５日、マツダ）

　痛い敗戦の中、広島・丸らしい打撃は救いだった。０－１の三回２死一塁。三嶋が投じた外角高めの直球を、左中間にはじき返した。一走・菊池が生還し、チームを同点に導く適時二塁打。「相手のクイックに遅れないように、コースに逆らわず打てた」と、一定の手応えをにじませた。

　３試合連続で打点を挙げた。「それはたまたまです。走者がいたらかえしたい気持ちはありますが」と、表情を変えずに言った。内角を引っ張り、外角を流し打つのは、キャンプから取り組んできた課題。追い求めてきた打撃には、確かな感触が深まりつつある。

　チームはわずか３安打に抑え込まれ、１－１の九回に勝ち越されて力尽きた。緒方監督は「フルカウントまではいくが、三嶋のボールになるスライダーに手を出していた。適度に荒れていた」と貧打を嘆いた。

　それでも手は打った。同点の七回２死三塁では、石原に代打小窪を送って勝負をかけた。敬遠で歩かされると、前田に代打松山を起用。松山は惜しい右飛に終わった。指揮官はサバサバした表情で「勝負に行って点が入るか、入らないかだった」と振り返った。

　丸は次戦に向け、「切り替えます」ときっぱり言い切った。まずはＤｅＮＡとの今カード勝ち越しへ、狙いを定める。