新井誓った「死の12連戦」勝ち続ける
広島の新井貴浩内野手(38)が25日、残り33試合に懸ける意気込みを語った。同日の阪神戦(マツダ)が台風接近の影響で中止。これによって9月18日の中日戦(ナゴヤドーム)から90年以降最長となる“死の”12連戦が組まれた。「毎日が正念場だがラストスパート。目いっぱいやる」。26日は1勝4敗と苦手の阪神・能見篤史投手(36)が先発。「全員で突破口を開く」と、一丸で逆転Vへ望みをつなぐ。
台風15号の接近による影響で、午後0時30分に中止が決まった。今季7試合目の中止。このため9月18日の中日戦から“死の”12連戦が組まれることになった。残り33試合。シーズン最後に、最大のヤマ場を迎える。鍵を握るのは4番。新井は言葉に力を込める。
「今はどこが相手でも、勝っていくしかない。もちろん1戦1戦、毎日が正念場ですけど、ラストスパート。目いっぱいにやっていきたいですね」
12連戦となれば90年以降では球団最長。93年10月にも日程は組まれたが、2試合の雨天中止で連戦にならなかった。新井も広島、阪神を通じて「記憶にない」と驚く。現在、首位阪神とは6・5ゲーム差。だが直接対決が11試合も残るだけに、逆転不可能な数字でもない。ここから差を詰めていけば、12連戦がまさに正念場となる。
26日の阪神戦、相手は能見がスライド先発する。広島は今季1勝4敗と苦手にする相手。4番は「先制点を取って、主導権を握りたい」と言う。唯一土を付けた5月9日の甲子園。新井は1点リードの五回、左中間席に2ランを放った。対戦成績は15打数4安打、打率・267。チーム規定打席到達者の中ではトップの数字を残す。
「意識は特にないですね。一人ではなくチーム全員で突破口を開いていきたい。我慢する所は我慢。大胆にいくところは大胆に。メリハリが大事になる」
室内練習場での打撃練習では、広角に鋭い打球を連発。その後は短いダッシュを繰り返すなど、終盤を迎えても黙々と汗を流す。7月の月間打率・217など、後半に入って打撃不振に陥った。だが「状態としてはまずまず」と手応えを明かすように、8月は・323と再浮上。4番がチームの命運を握る。
夏休み最後の本拠地2試合。限定の赤い縦じま「常昇魂」のユニホームをまとう。「調子で野球をやる時期じゃない。状態が良くても悪くても気持ちを込めて戦う。その積み重ね」。143試合の長丁場。最後に必要なのは気力と精神力。一戦必勝で希望をつなぐ。4番が覚悟を示した。勝ち続けるんだ-と。