エルドV弾!頼れる助っ人2戦連発
「広島2-0阪神」(27日、マツダ)
両手を広げて待つ鯉党の願いが届いた。真っすぐに伸びた白球が、左中間席最前列に突き刺さる。真っ赤に染まった本拠地の一体感を高め、広島・前田に勇気を与える一発を放ったのはエルドレッドだ。
「1打席目からボールが見えていたし、失投を逃さずに捉えられた。きょうのマエケンには1点で十分だった」
0-0の二回1死。岩田の内角カットボールをフルスイングした。前日26日は4年連続2桁本塁打となるバックスクリーンへの10号ソロ。序盤で飛び出した2試合連続の一撃はエースに心の余裕を与え、その後の快投劇を呼び込んだ。
ここ5試合で3本塁打と快進撃が続く。全打席で結果を残そうとする気持ちが焦りにつながり、空回りするのが助っ人の悪癖だ。ここ数日は、ゆっくりとタイミングを取ることを意識して打撃練習してきた。「弓を引くようにゆっくりとね。そのおかげでボールが見えているよ」。球を懐まで呼び込めるスイングができている。
昨季はシーズン終盤で絶不調に陥り、チームに貢献できなかった。今季は違う。大事な終盤で調子を上げてきた。11本塁打は昨季37本塁打の男には物足りないが、「チームでは(丸の16本に次ぎ)2番目のホームラン数だよ」とにやり。ジョークが飛び出すほどの余裕が何よりも頼もしい。