緒方鯉 DeNAに痛恨カード負け越し
「DeNA8-4広島」(30日、横浜)
広島は打線にあと1本が出ず、投手陣も踏ん張りきれず、3カードぶりに負け越した。ゲーム差は首位阪神とは4・5のままだが、3位巨人とは3・5に開いた。上位3チームに割って入るため、1日からの阪神、ヤクルトとの6連戦は重要な意味を持つ。緒方孝市監督(46)は「勝負になる」と気合を入れた。
降りしきる雨の中、鯉党の不快指数が増していった。幾度も好機がありながら、あと1本が出なかった。投手陣も粘れなかった。
低迷するDeNA3連戦に負け越した。敗色濃厚となったのは、4-5の七回だ。一岡が2被弾し3失点した。緒方監督は「大事なポジションでやってもらわないといけない投手だが、失点が出てくると限られた投手で、となる」と嘆いた。
指揮官は9月に向け、大瀬良、中崎に続くセットアッパーをつくりたいという思惑があったが、期待の一岡が背信投球を見せ、構想の実現が遠くなった。
先発戸田も誤算だった。2-0の三回に6安打5失点と炎上した。指揮官は「自分の球は投げていたが、セットだとスピード、制球ががたんと落ちていた」と指摘。先発5番手の不安が、解消しないままだ。
ただ、投手陣だけを責めることはできない。緒方監督は「きょうみたいな試合は追いつくだけでなく、追い越さないといけない」と指摘した。
3-5の六回。1点を返し、なお1死一、三塁。代打小窪は須田の前に力ない三飛に倒れ「あそこが全て。同点にしていれば…」と自分を責めた。2死満塁からは菊池が空振り三振に終わった。
4-5の七回1死一、三塁では、田中が三上の前に浅い左飛。犠飛も打てず「外野フライを打とうとして、引っかけないよう意識した。そこまでは良かったが結果は浅かった」と悔やんだ。2死満塁からは石原が空振り三振に倒れた。
石原は六回までの3打席で3安打2打点と大暴れしていた。それでも「あの三振が悔しい」と満足感はない。捕手として「本塁打2本で点を取られたのが…」と七回、一岡の2被弾を悔やんだ。
首位阪神と4・5差のままだが、3位巨人とは3・5差。これ以上離されるわけにはいかない。8月は月間12勝11敗と勝ち越した。勝負の9月へ。1日から阪神、ヤクルトとの6連戦がカギになる。
緒方監督は熱い口調で言った「上位との6連戦。勝負になる」。上位を倒すしかない。