マエケン11勝!勝負の9月初戦飾った
「阪神1-5広島」(2日、甲子園)
甲子園の夜空の下で、広島・前田が雄たけびを上げる。七回2死一、二塁のピンチ。だが阪神・鳥谷を遊飛に仕留め、無失点で切り抜けた。「チームが勝つことが大事」。負けられない一戦を7回6安打1失点でしのぎ切り、リーグトップタイの11勝目をマークした。
本調子ではなかった。直球は140キロ後半を計測するが制球力を欠いた。初回、先制点を許した場面は「シュート回転して真ん中に入った」。指先に狂いが生じた。
それでも大量失点しないのがマエケンの真骨頂。4点の援護をもらい、5-1と逆転した直後の五回はギアを上げた。「完ぺきに抑える」と3者連続三振。圧巻の投球で、自身も、そしてチームの流れも手放さなかった。
6年連続の2桁勝利を挙げた前回8月27日の阪神戦(マツダ)から、登板前の食事量を減らした。同月21日の巨人戦(同)では、おにぎりなどを胃に押し込んだが、「序盤に体が重いと思った」と反省。疲れがたまるシーズン終盤はコンディション調整が何より大事。体のわずかな変化に気が付き、改善した。
「去年は大事な時期に勝てず悔しい思いをした。今年はここから巻き返していきたい」と決意表明した前田。夢をつなぐためには勝ち続けるしかない。エースがその先頭に立つ。