マエケン単独トップ13勝!首位と3差
「阪神0-3広島」(13日、甲子園球場)
これぞエースじゃ!!広島の前田健太投手(27)が、今季初の中4日登板で7回無失点。ハーラートップの13勝目を挙げた。これで今季阪神戦は3戦3勝と圧倒。チームを8年ぶりの阪神戦勝ち越しに導いた。勝負の6連戦第2弾は2分けを挟み4連勝。70日ぶりに借金1とし、首位ヤクルトに3ゲーム差まで接近した。残り17試合。大逆転Vへ、前田は投げる試合で全部勝つと宣言した。
敵地甲子園で左翼スタンドが赤く、赤く揺れた。大歓声に向かって左手を挙げると、前田の表情に自然と笑みが浮かんだ。今季初の中4日登板で7回2安打無失点。ハーラートップの13勝目は、チームにも貴重な1勝だ。
「やっぱりいつもとは調子が違う。とにかく気持ちで。さすがに万全は難しかった」
言葉とは裏腹に投球内容は完璧だった。初回、鳥谷を1球で中飛に抑えると大和、マートンに3球勝負。連続三振で波に乗った。二回に先制点を奪うと、最速150キロの直球と宝刀スライダーを軸に相手打線を圧倒。四回まで無安打に抑えた。
最大のピンチは1点リードの五回、2死一、二塁。阪神ベンチは早々と藤井に代打・坂を送った。2ボールから5球連続スライダー勝負。中飛に抑えてグラブを小さくたたいた。「相手も勝負をかけてきたのでよかった」。七回を三者凡退で降板。93球の熱投だ。
ついに解禁した勝負手の中4日だが「僕の考えでは中4日(での登板)は誰でもできる」という。それを任され、勝利に導いてこそエース。「行くなら絶対に勝たないといけない。勝ちきることに意味がある。中4日でチームが勝ったのは、意味があったかなと思う」と、責務を全うして笑みを見せた。
昨年は後半戦で2勝5敗。悔しい経験は力になった。今季はこれで5連勝(2敗)。数字を逆にした。「昨年の悔しさがある。最後まで続けていきたい」。今季阪神戦は3戦3勝。デーゲームは5戦5勝で、13勝目はリーグ単独トップだ。
首位ヤクルトに3差まで接近した。残り17戦。前田の登板は3、4試合が見込まれる。「1つでも多く勝って、1つでも上の順位にいきたい。投げる試合は全て勝つつもりです」。不敵に笑った。大一番で証明したエースの真価、そして進化。大混戦の主役は、鯉が譲らない。