やっぱり広輔弾!菅野撃ちで憂さ晴らし
大誤審の憂さを晴らす。広島・田中広輔内野手(26)が14日、15日・巨人戦(マツダ)の必勝を誓った。この日、自身が12日・阪神戦(甲子園)で放った中越え三塁打の判定は審判団の誤りで、実は本塁打であったと日本野球機構(NPB)から謝罪があったが、「どこかで返ってくる」と前向きに受け止めた。巨人先発は得意にする菅野。自ら快音を響かせて、奇跡の逆転優勝への機運を高める。
前代未聞の大誤審。当事者の田中は苦笑して言った。「もう結果は変わらない。仕方がない。人がやることなので」。12日・阪神戦(甲子園)の延長十二回、中堅左に放った三塁打は実はフェンスを越え、進入防止用ワイヤに当たって跳ね返ったものだったと、この日、NPBから謝罪があった。
阪神戦は結局2-2で引き分け、3連戦は2勝1分けに終わった。もう結果は覆らない。それでも「どこかで返ってくるんじゃないですか」とさわやかに言った。13日・阪神戦で呉昇桓から死球を受けた右脇腹に痛みは残るが「大丈夫。問題ない。僕は甲子園で散々でしたけど、チームは負けなかったので」と笑い飛ばした。
チームは2分けを挟み4連勝中。借金1。3月31日以来の勝率5割復帰は目前だ。首位ヤクルトと3ゲーム差。まずは2・5ゲーム差に迫る3位巨人との直接対決を制すことが、奇跡の逆転優勝への第一関門。“幻弾”の憂さを晴らす一打を見せるのみだ。
巨人の先発は菅野。東海大相模、東海大時代の同級生に昨年はノーヒットに抑え込まれたが、今季は15打数6安打、打率・400。プロ2年目の成長を物語る数字に「相性の良さが出てくれればと思う。自分の状態は悪くはないです」と、手応えを口にした。
この日はフリー打撃で鋭い打球を連発。今季は遊撃の定位置をつかみ取り、126試合中124試合でスタメン出場。球宴後は蓄積疲労に悩まされ、打率を落とした時期もあった。残り17試合。「もう残りは少ない。疲れは関係ない。やるだけです」と立ち直った。
緒方監督が「一戦必勝でいく」と言い続ける9月戦線。リーグトップ7本の三塁打を放つ田中は「どの試合も負けられない。それは皆が同じ気持ちです。今のチームはいい流れにある。自分もそれに乗っていきたい」と誓った。諦めない逆転優勝。奇跡を実現させれば、“幻弾”はシーズン後の笑い話になっているはずだ。