鯉の魔法?たった2安打で菅野撃破じゃ

 「広島1-0巨人」(15日、マツダスタジアム)

 ナインと歓喜のハイタッチを交わす広島・緒方監督の表情は、引き締まったままだった。

 巨人との接戦を制し、3月31日以来の勝率5割復帰。「それよりも残り16試合しかない。うちはまだ上から4番目。一戦必勝でやっていく」。目指すは逆転優勝のみ。18日からの今季最長12連戦へ「あっという間に終わるでしょうね」と、気持ちを高ぶらせた。

 試合前まで通算3勝10敗と苦手にしていた菅野に対し、たった2安打で1点を奪い土をつけた。

 二回だ。1死から新井が四球を選び、続く田中は1ボールから、エンドランのサインに反応。外角のツーシームを左前に運んだ。1死一、二塁で安部は三ゴロに倒れ2死一、三塁。続く石原の遊ゴロが坂本の失策を誘い、決勝点が転がり込んだ。

 東海大相模、東海大の同級生菅野に対し打率・389と得意にする田中は「一発で決めることができた。しっかりバットに当てられた」。12日の阪神戦(甲子園)では大誤審で本塁打を三塁打にされた男が、ラッキーな得点劇に貢献。今季最少2安打での勝利に「面白い。これが野球です」と喜んだ。

 球団ワーストを更新する23試合連続1桁安打となったが、その間12勝9敗2分け。指揮官は最近「選手の目の色が変わってきた」と話していた。その手応えをさらなる進撃につなげる。

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