新井奇跡の逆転Vへ「何が何でも勝つ」
広島・新井貴浩内野手(38)が17日、勝負の12連戦を前に一戦必勝を誓った。残り16試合の戦い方を「無我夢中」と表現し、「何が何でも勝つ」と覚悟を明かした。緒方孝市監督(46)は「行けるところまで行ってもらう」と全試合でスタメン起用する方針を示し、ベテランに命運を託す。
快晴の本拠地マツダで、鯉ナインが元気に汗を流した。全員が集合した円陣から、安部の掛け声でアップ開始。奇跡の逆転Vに向けて一丸ムードが高まってきた。シーズン残り16試合。勝負の12連戦を前に、新井は「無我夢中」と表現する。
「疲れているとか、そんなこと言ってはいられない。形とか、そんなことはどうでもいい。何が何でも勝つ。無心というか、何でもいいから勝つ、それだけ」
新井は練習終了後、自らに言い聞かせるように「勝つ」と連呼した。首位・ヤクルトと3・5差で、3位・巨人とは1・5差。だが、引き分けを挟んで5連勝中。投手陣は抜群の安定感で、投打の歯車がかみ合ってきた。
新井は9月に入って打率・274と下降気味だが、得点圏打率は・318と、依然として高い数字を誇る。チームは7試合連続で先制点を記録。球団ワーストの23試合1桁安打中だが「先制して主導権を握ることが大事になる」と強調。緒方監督も「行けるところまで行ってもらう」と、ベテランのさらなる奮起に期待を寄せた。
前日16日には、広島市内の焼き肉店で決起集会を開いた。選手会長の梵を中心に、黒田、新井らベテランも集結。逆転優勝へ心を一つにした。「いい時間だった。12連戦を前に全員で勝つぞという気持ちになった。結束が強くなったね」。18日、19日は苦手のナゴヤドームで2連戦。3連敗を喫した8月の悪夢を晴らさなければならない。
「あとは、あした。1つの球に集中する。それしかない。打つのも、守るのも、走るのもそう。余計なことを考えず、全神経を集中させて戦うだけ」
ファンへの恩返しを誓って臨んだ古巣復帰のシーズン。いよいよ最後の正念場を迎える。「幸せなこと。たくさん応援してもらっているので、なんとか喜んでもらいたい。とにかく何でもいいから勝つ。それしかない」。夢の、奇跡の逆転優勝へ向けて、ベテランが無我夢中で戦う。