福井“遠すぎる10勝目”粘投実らず
「広島4-6DeNA」(20日、マツダスタジアム)
手の届く所にあった10勝目が、スルリと逃げた。4度目の挑戦でも、広島・福井は自身初となる2桁勝利を挙げることはできなかった。「同点で何とか終えたこと、最低限ゲームをつくったことは良かったけど、失点した場面は反省していきたい」。硬い表情を崩さずに、足早にロッカーに歩を進めた。
三回まで完全投球も、2-0の四回1死三塁で梶谷に左犠飛を浴びると、六回にも失点した。先頭・荒波の左前打から2死二塁のピンチを背負い、筒香に右翼線を破られる適時打を浴びた。内角143キロの直球。失投ではなかったが、ハマの若き4番にはじき返された。
六回の攻撃で代打を送られ、マウンドを降りた。小窪の中前適時打などで逆転に成功し、勝利投手の権利が転がり込んだものの、八回に大瀬良が3失点して、勝利はまたしてもお預けだ。
8月22日・巨人戦(マツダ)で9勝目を挙げて以降、4試合連続、約1カ月の間、勝利から遠ざかっている。だが、粘り強い投球は随所に見せてきた。昨季までのように、ビッグイニングをつくらせない投球は確かな成長の証しだ。
「10勝目は意識している」と公言する。近くて、遠いあと1勝…。それでも辛抱強く右腕を振るうその先に、必ず光が待っている。