カープ痛すぎ3連敗…大瀬良が大誤算
「広島4-6DeNA」(20日、マツダスタジアム)
広島が3連敗を喫した。大瀬良大地投手(23)が1点リードの八回に3失点。4本の安打を集中され、痛恨の逆転負けだ。中継ぎ転向後は初黒星で、6月3日・日本ハム戦(マツダ)以来の7敗目。本拠マツダの連勝も7で止まった。ヤクルト、巨人も敗れたが、下位チーム相手に、あまりに痛い敗戦となった。
交代を告げられた大瀬良は、右手の白球をベンチ横に投げつけた。自分自身への怒りから、温厚な右腕が見せた激しい感情。連敗で迎えた一戦。1勝の価値を、1敗の意味を理解していた。リードを守ることができず3失点。痛恨の3連敗だ。
「打たれてしまって申し訳ない。それだけです」。敗戦後、大瀬良は必死に前を向いて答えた。振り返ったのは、1点リードの八回。梶谷、筒香の連打で無死一、三塁とすると1死後、宮崎に同点の右前適時打を浴びた。
続くバルディリスの遊ゴロで、痛恨の勝ち越し点を献上。嶺井にも右前適時打を浴びて3失点だ。「自分でもシュート回転しているのは分かっていた。制球を大事にと思ったけど、修正しきれなかった」と唇をかんだ。
2点リードの七回。ヒースが2死から、3連打で1点を失ったことで緊急登板。「準備はできていた。影響はない」と否定したが、結果的にイニングまたぎが大きく響いた。中継ぎ転向後は初黒星で6月3日・日本ハム戦(マツダ)以来の7敗目。「取り返すことはできないが、諦めずに頑張っていきたい」と必死に前を向いた。
「救援陣どうこうではないよ」とは緒方監督。わずか1点の「最少リード」が、大瀬良に必要以上の重圧をかけた。2点ビハインドの九回。先頭の新井が右線二塁打で出塁した。続く代打松山も右前打。新井は一気に本塁を狙ったが、好返球にも阻まれて憤死した。
点差、状況を考えれば、ストップの選択肢もあった。勢いをなくした攻撃に、反撃の力は残っていなかった。11安打で26試合ぶりの2桁安打。リーグワースト記録は回避したが、指揮官は「選手は勝つために必死にやってくれている。でもミス、ミス、ミス」と記録に残らぬ失敗を嘆いた。
痛恨3連敗で再び借金3。上位チームの背中がまた遠くなった。「きょう落としたのはものすごく痛い。采配、指揮を執っている自分の責任です」。緒方監督は強い口調で、自らを厳しく責めた。残り13試合。自力優勝の可能性も消えていない。勝利を求めて戦っていくだけだ。