エルド決勝2ラン!意地のヤV阻止
「ヤクルト2-4広島」(29日、神宮球場)
目の前で胴上げさせてたまるか!広島が意地を見せて逆転勝ち。五回、丸佳浩外野手(26)の19号同点ソロで追いつき、ブラッド・エルドレッド内野手(35)が勝ち越しの18号2ラン。懸命の継投で試練の12連戦を4連勝で締めた。3位・阪神と1・5差。残り4試合。逆転CSへ最後の力を振り絞る。
超満員の神宮が真っ二つに割れた。大歓声の三塁側。静まりかえる一塁側。悠然とダイヤモンドを一周したのはエルドレッド。勝ち越し18号2ランを放ち、ヤクルトの目の前での胴上げを阻止した。
0-1の五回。丸の同点ソロに続いた。1死一塁。館山の直球を捉えた打球は、鯉党が待ち構える左翼席上段に突き刺さった。
「感触は良かった。打てる球を捉えようと思った。今はとにかくチームが一丸になって集中している。最後まで連勝したいね」
主砲は心地よさそうに胸を張った。これで4試合連続打点。チームを今季5度目の4連勝に導いた。今季2戦2敗で無得点に抑えられていた苦手の館山を粉砕。ボール球に手を出さず、甘い球を見逃さなかった。
緒方監督は満足そうに言った。「胴上げをさせるものか、と野手も投手も気迫を出してくれた。みんなが恐れずにいい集中力を出してくれた。ナイスゲームだ」。試練の12連戦は5勝7敗に終わった。24年連続のV逸が決まり、一時は意気消沈していたチーム。それでも最後は4連勝で締め、土壇場で息を吹き返してきた。
3位阪神を1・5差で追う。残り4試合。全勝ならば3年連続のCS進出が実現する。指揮官は「うちには目標がある。残り4試合。勝ち続けたい」と言葉に力を込めた。
今のカープには、打率は低くとも勝負強さを誇るエルドレッドが4番にいる。「広島に家を買いたいくらいだよ。よく知っている町だからね」と来季残留を熱望する男だ。モチベーションは高い。
今季は故障などで1軍離脱が目立ったが、8月に1軍復帰後は36試合で10本塁打、26打点。際立つ存在感を示す主砲は「チームに勝ちをつけられるように貢献したい。とにかく勝っていかないと」とキッパリ。チーム一丸となって、10月の4試合を戦い抜く。