緒方鯉の逆襲!球団が戦力補強を約束

 広島・緒方孝市監督(46)が8日、マツダスタジアムでオーナー報告を行った。既に来季続投は決まっており、松田元オーナー(64)から巻き返しに向けた戦力補強を約束された。失地回復へ強い決意を示し、秋季練習から勝負強い打撃を身につけさせるため、基本練習を重視する方針を打ち出した。

 24年ぶりの優勝を逃した。3年連続のCS進出も逃した。4位という満足のできない結果で、就任1年目のシーズンを終えた。緒方監督はスーツ姿で松田オーナーへの報告を終え、厳しい表情で口を開いた。

 「こういう結果に終わり、申し訳ないということを伝えた。来年の補強についても話した。『しっかり気持ちを切り替えて、一つ一つ立て直してくれ』と、言葉を掛けてもらった。正直CSの準備で頭がいっぱいだったが、現実を見つめたい。切り替えて、一つ一つつくり直す」

 既に来季続投は決定済み。16年への補強で重視される1つが新外国人だ。「今年は得点力不足。外国人の力が必要になる。ピッチングスタッフも万全ではなかった」と述べた。

 勝てば3位浮上だった7日・中日戦(マツダ)で零封負けしたように、ここぞの勝負強さがなかった野手陣。さらに大瀬良、中崎に負担が掛かったリリーフ陣。この反省を踏まえて球団は、抑え投手とレギュラー不在の三塁を担える内野手を中心に、外国人調査を進めている。

 助っ人に頼りすぎてもいけない。「選手のレベルを上げる。いかにチャンスに強くなれるか。技術的、精神的なものはもちろん、原点に返ってスイングの速さと強さ、基礎から見直していく」。就任時に掲げた「投手を中心とした守りの野球」は不変だが、課題の勝負強い打撃が身につくように、14日に始まる秋季練習から選手を鍛えていく方針だ。

 また今季国内FA権を取得した小窪と赤松には残留を要望した。代打の切り札の小窪、代走のスペシャリストの赤松は来季も重要な戦力。「選手がつかんだ権利だから」とした上で「小窪も赤松も必要な選手だ」と力強く語った。

 4位に終わった今季だが収穫もあった。新人の野間、3年目の鈴木誠が開幕から1軍で完走。「彼らはミスしたね。1つのプレーの重要性を感じてくれたと思う」と、今後の成長を願った指揮官。実り多き秋が来季につながる。その瞳は、巻き返しに燃えている。

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