東出が引退決断…カープ一筋17年

 広島は8日、東出輝裕内野手兼2軍野手コーチ補佐(35)が現役引退の意向を申し入れ、了承したと発表した。この日、廿日市市の大野練習場に、荷物整理に訪れた東出は「最後の3年間は(1軍で)何もしていないので」とスッキリとした表情で話した。

 プロで駆け抜けた17年。98年度ドラフト1位で入団し、ルーキーイヤーの5月11日・巨人戦(広島)でプロ初出場初安打を記録した。長年チームの中心として活躍してきたが、13年の春季キャンプ中の紅白戦で左膝前十字じん帯を断裂。大手術も経験した。

 「失敗ばかりだったけど、すごく勉強になった。これほど浮き沈みのあった選手もいないでしょうから」

 一番の思い出に挙げたのは、プロ2年目で経験した二塁から遊撃へのコンバートだという。この年、25失策し「試合後、誰とも会いたくなくて。バックスクリーンから(抜け道を)歩いて寮まで帰ったことですね」。失敗と反省。その繰り返しの先に、一流選手への道を切り開いた。

 現役時代、共にプレーした緒方監督は「チームがつらい時期に、若くから活躍してくれた。1回優勝を経験させたかった。花道をつくってやれず、申し訳ない」と語った。低迷期を支えた名プレーヤーが、潔くユニホームを脱ぐ。

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