小窪FA権行使せず残留!三塁獲る
今季、国内FA権の資格取得条件を満たした小窪哲也内野手(30)が16日、権利を行使せず残留を決断した。秋季練習後、球団との交渉を終えて正式に表明。秋季キャンプにも参加する意向で、中堅としてチームの屋台骨を支える覚悟だ。代打だけではなく三塁の定位置奪取へ、さらなるレベルアップを図る。
早々と残留を決断した小窪は、来季のチームを案じていた。胸に秘めたのは定位置奪取、そして25年ぶりの優勝。ベテランと若手が融合するチームで、橋渡し役に徹すると決めた。8年目の30歳。決め手は勝利の渇望だ。
「ここ数年、もう少しのところで勝てなくて、悔しい思いがある。どうやったら勝てるか。(行使かどうかで悩むより)そっちの方が強かった」
今季の代打成績は50打数19安打。打率・380と、昨年の・389に次ぐ高い数字を残した。15日に赤松が残留を表明。走攻のスペシャリストの決断に、鈴木球団本部長も「優勝を狙うには欠かせない。これからも必要な選手」とホッと一息ついた。
小窪自身、代打の切り札で終わるつもりはない。少数精鋭の秋季キャンプにも参加予定。今季先発は6試合にとどまったが、三塁の定位置獲りへ走守にレベルアップを図る。打撃についても「僕が打っておけば勝てた試合があったので」と、勝負強さに磨きをかける。
「僕くらいの年齢の選手が少ない。もっともっと試合に出て、橋渡しじゃないですけど、チームのバランスを保てるか。そうすれば変わってくると思う」
今季、黒田、新井らベテランと、丸、菊池ら若手が中心に位置した。そこに中堅として存在感を示すことが、必要だと自覚している。「勝負どころで勝てるように。ヤクルトみたいにチーム一丸で喜びたい」。決断に迷いはない。新たな挑戦へ。強い覚悟で来季に向かう。