緒方カープ 開始直後に七回想定紅白戦
広島が29日、秋季練習では異例の2日連続で紅白戦を行った。この日は終盤七、八、九回を想定。無死一塁、無死二塁からと状況を設定した。攻撃は1点を取る、守備は失点を防ぐことを意識付けするのが目的。秋季キャンプでも続けていく予定で、緒方孝市監督(46)は「今年の反省点でもあった」と、接戦で勝つ野球を浸透させる考えだ。
緊迫した空気が流れる。紅白戦はまだ開始直後。だが、捕手磯村が「七回、ノーアウト一塁」と叫んだ。秋季練習では異例の2日連続紅白戦。調整ではない。植え付けたかったのは、1点に対する執着、執念。その意図を緒方監督が明かした。
「キャンプでもずっとやっていく、という意味を込めたメニュー。いかに1点を取りにいくか、失点を防ぎにいくかを考えていく」
今シーズンを振り返れば、接戦で競り負けに泣いた。1点差試合は25勝26敗。延長戦は4勝9敗3分けと、いずれも負け越した。さらに全71敗中、七回以降に決勝点を失ったのが24試合と、勝負どころで勝ちきれなかった。
「作戦ありきの野球ではなく、もちろん打力の向上が大前提」と指揮官。秋は個々のレベルアップを求めているが、その上で「今年の反省点でもあった」と、競り勝つ野球を徹底的に体に染み込ませる。高ヘッドコーチも「春からでは間に合わないから。今からやっていく」と続けた。
1日からの秋季キャンプでは、実戦が多く組み込まれる予定。選手も1球、1打席の重要性を痛感している。「チーム全体でやっていかないと。今年のヤクルトにそういう印象があった」と会沢。来季雪辱へ一丸で、競り勝つ野球を求めていく。