塹江うなる直球!いたぞ鯉の秘密兵器

 「広島紅白戦、白組0-0紅組」(3日、天福球場)

 広島・塹江敦哉投手(18)が3日、宮崎県日南市で行われた秋季キャンプの紅白戦に登板。3回1安打無失点と好投した。直球は最速145キロを計測し、首脳陣の評価は上々だ。このまま結果を残し続ければ、来春の1軍キャンプ参加が見えてくる。来季2年目を迎える左腕が緒方鯉の秘密兵器になる!

 白球がうなりを上げた。下水流のバットが空を切ると同時に、乾いた捕球音がグラウンド内に響き渡った。0-0の七回無死一塁の設定で紅白戦はスタート。一走上本の盗塁死で1死となったあと、この日最速の145キロ直球で空振り三振を奪った。アピールに成功した塹江は、「真っすぐで押せた」と目尻を下げた。

 その後も直球で押した。無死二塁から始まった八回は2死満塁となったが、鈴木誠を遊ゴロに仕留めて無失点。九回も最大の武器を前面に押し出し、アウトを積み重ねた。「球は走っている方ではなかったけど、勝負どころで弱気にならず投げられた」。今秋は来春の1軍キャンプ参加切符が懸かる。畝投手コーチは「いい面を見せてもらった。キャンプ?連れて行く可能性は十分にある」と期待を寄せた。

 地道に築き上げてきた下半身が速球の源だ。開幕から5カ月間、3軍で強化指定選手として体力強化に励んだ。ランニングやダッシュ、体幹トレなどに明け暮れた日々。球を握る日は週に一度程度の時期もあった。キャンプでの疲れもあり、この日は145キロ止まりだったが、「プロ入り前に130キロ後半だった平均球速が、(シーズン終盤は)145キロ前後に上がった」と左腕。まいた種が着実に芽を出し始めた。

 佐々岡2軍投手コーチの言葉も原動力になっている。2軍に合流後、やや難がある制球力を修正するのではなく、長所を伸ばすことを優先してくれた。制球を気にして右肩の開きが早くなり、球威が落ちていたが「コントロールを意識し過ぎず、バッターと勝負しようと言ってもらった」。思い切り腕を振り下ろす-。原点に立ち返ることができた。

 走者を背負った場面で、クイックで投げると球威が落ちる。その課題に取り組みながらアピールを続ける。「この秋、チャンスをもらった。自分を見てみたいと思ってもらえるように頑張りたい」。来季の1軍デビューを目指して、がむしゃらに左腕を振り続ける。

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