鯉ドラ2横山ダルを理想に日本一目指す

 「社会人野球・日本選手権・準々決勝、大阪ガス3-1NTT東日本」(7日、京セラドーム大阪)

 広島からドラフト2位指名された横山弘樹投手(23)=NTT東日本=が7日、社会人野球日本選手権準々決勝・大阪ガス戦(京セラドーム)に敗れ、社会人最後の大会を終えた。登板機会はなく、今大会は15回無失点で終了。待ち受けるプロの世界で理想型にレンジャーズ・ダルビッシュ有投手を掲げた右腕は、技術面、体力面でさらなるレベルアップを誓い、次のステージで古巣への恩返しを果たす。

 ゲームセットの瞬間、横山は悔しさを刻みつけるようにスコアボードを見つめた。「優勝しか考えていなかった」と語る社会人最後の大会は登板なく、ベンチで幕を閉じた。ローテーションで準決勝の先発に備えていた右腕。「もっと、このチームで野球をやりたかった」と唇を噛んだ。

 それでも今大会で残した結果は大きな成長を感じさせた。2試合に先発し、計15回を無失点。許した被安打もわずかに4本と抜群の安定感は揺るがなかった。最速150キロを計測する直球を制球重視に切り替え、丁寧にコーナーを突いた。

 また入社後に投球フォームが安定したことで90キロ台のチェンジアップを習得。50キロ超の緩急差をつけられるようになったことで、投球の幅が広がった。「個人的に最後の大会を無失点で終われたのは良かったですけど、チームが優勝できなかったことが悔しい」。この敗戦も必ず、プロの世界で生き抜くための糧にする。

 既に投手としての理想型も固まっている。「理想とするのはダルビッシュ投手。すべての球種が一級品で、1球、1球で打者を圧倒している」と明かした横山。力強く伸びる直球、打者に手を出させない変化球で相手の戦意を喪失させ、マウンドからゲームを支配する投手-。「そのためにはスキルアップしないと。筋力も全然足りないですし、短い期間ですけど体づくりをしっかりやっていかないといけない」と課題を口にする。

 桐蔭横浜大で登板数を増やしたのは4年春から。社会人の2年を合わせた計3年間で即戦力右腕の称号を得るまで飛躍的に成長を遂げた。社会人出身とはいえ、まだまだ大きな伸びしろを秘めており、球界を代表するエースになる可能性も決してゼロではない。

 「自分がプロの世界で活躍することで、NTT東日本に在籍したという証しにもなる。次のステージで恩返しができるように」と力を込めた横山。プロという最高峰の舞台で日本一へ-。端正なマスクから向けられる視線は、その頂を見据えている。

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