広島が、今季まで中日でプレーしたエクトル・ルナ内野手（３５）の獲得調査を行うことが２日、明らかになった。この日、中日の保留選手名簿から外れて自由契約選手として公示され、他球団との交渉が解禁。今オフの補強ポイントである正三塁手候補として、日本球界で実績がある好打者に照準を定めた。

　来季補強ポイントの正三塁手として、実績ある内野手に照準を定めた。この日、中日の保留選手名簿から外れ、自由契約選手として公示された、ルナだ。他球団との交渉が解禁されたことを受けて、日本での実績を高く評価する広島は、迅速に獲得調査を進める。

　ルナは２０１３年の来日１年目から、日本の野球に素早く対応。同年に打率・３５０をマークすると、翌１４年は・３１７、今季も・２９２と、安定した成績を残した。昨季はベストナインも獲得。広角に打ち分ける打撃技術と、勝負強さが光る好打者だ。

　また、投手と捕手以外全てのポジションを守れる守備力にも、定評がある。中日では三塁が主で、一塁も守った。三塁については、来季チームの補強ポイント。今季は梵の８１試合がスタメン最多で、木村昇が２４試合、安部が１８試合、堂林が１４試合と併用が続き、最後まで固定できなかった。

　来日３年間の実績に加えて、真面目な性格で、日本人選手ともすぐに打ち解けるなど、球団は性格面も評価する。球団首脳は「生え抜き選手の定位置確保が理想だ」と前置きした上で、獲得によるチームの相乗効果を期待。競争心をあおることで、堂林ら若手の台頭を促したい考えだ。来季３６歳の年齢も考慮しながら、故障の有無など慎重に調査を続ける。

　現時点で獲得に名乗りを上げる球団は他にないようだが、争奪戦となった場合でも、マネーゲームに応じるつもりはない。ＤｅＮＡを退団したアーロム・バルディリス内野手（３２）らその他の選択肢も考慮しながら、国内外で幅広く選手の調査を行っていく。

　広島は今オフ、ブラッド・エルドレッド内野手（３５）、クリス・ジョンソン投手（３１）以外の５選手と来季契約更新をしなかった。既に、前アスレチックス傘下３Ａのジェーソン・プライディー外野手（３２）を獲得。また、新たな外国人選手として、投手２人の獲得を狙っている。

　若手の成長と同時に、来季２５年ぶりの優勝へ外国人選手の補強は不可欠。三塁に関してはまず、ルナ獲得を最優先に戦略を煮詰めていく。